「抗体」の真実。

以前の記事で、「抗体」は病原体が無毒化されただけの物質であって、「抗体」があるから病気にならないという一般常識が間違っている可能性についてお話しました。

ワクチンで抗体が作られる本当の仕組み【予告】とアジュバント(アルミニウム)の毒性について。

ちなみに、「抗体がある」とは「抗体価陽性(基準を満たす)」を意味します。抗体価の説明は以下になります。

ーーーーーーーーーーーーーーーこちらから転載
抗原に反応する(と戦う)抗体は今現在どの程度存在しているのか?という目安となる数字のことを抗体価という。
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今日はさらにこの抗体について深く掘り下げて話していきたいと思います。

ワクチンにおいて「抗体価陽性(基準値を満たす)」=「免疫がある」という解釈が一般的です。

ワクチン推進派はもちろんのこと、ワクチン反対派の教祖的な存在になっている「母里啓子」もこの解釈が前提になっています。

しかし、この前提がそもそもの間違いであることをご説明していきます。

言うまでもありませんが、「抗体」は目に見えません。「抗体」は抗原が無毒化されたもので、その「抗体」を採血などで測定したものが「抗体価」になります。

例えばMRワクチン(麻疹・風疹ワクチン)を接種して、抗体がある基準以上になれば、抗体があり免疫がある(抗体価陽性)と見なされます。

また、麻疹に罹った場合、抗体は異常に上昇するので、 抗体が診断基準にもなります。

麻疹の検査診断について 

「抗体」は予防接種においても、感染症の診断においても重要視されるものになります。

ですが、実際の臨床現場において予防接種による「抗体」が重要視されることはありません。

ワクチンを打たせる際には「抗体価」が重要視されますが、それ以外の感染症対策などにおいては、「抗体価」は見向きもされません。

臨床現場で「抗体価」が重要視されていない2つの事例をお話します。

一つ目は病院に就職する際に抗体価を測定されないということです。

以下の図は日本環境感染学会により作成された「 医療関係者のためのワクチンガイドライン 」から転載したものです。

医療係者のためのワクチンガイドライン


フローチャートを見ると、ワクチンを2回以上接種していれば、抗体価を測定しなくてもよいそうです。

当たり前ですが、病院に勤めるといういことは、感染症患者と接する機会が多くなります。

例えば、コプリック(Koplik)斑がある患者さんで麻疹が疑われたとします。

麻疹の感染力はインフルエンザの10倍と言われることもあります。

ーーーーーーーー「IDSC国立感染症研究所感染症情報センター」より転載
麻疹は麻疹ウイルス(Paramyxovirus科 Morbillivirus属)によっておこる感染症で、人から人へ感染します。感染経路としては空気(飛沫核)感染のほか、飛沫や接触感染など様々な経路があります。感染力はきわめて強く、麻疹の免疫がない集団に1人の発症者がいたとすると、12~14人の人が感染するとされています(インフルエンザでは1~2人)。
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このように麻疹の感染力は高いとされています。

抗体を保有していない職員が対応すると感染する割合はかなり高いと考えられます。

なので、抗体を保有している職員が麻疹患者に対応するべきです。

ですが、病院側はこのような対応を取っていません。病院側は予防接種を打っている回数だけが保管されているだけで、個々の職員の抗体価のデータは保管されていないからです。

病院によっては職員が予防接種をしているのかさえ把握していない病院もたくさんあります。

ですが、一応、抗体を保有していないワクチンは臨床実習前に打つようにと指導されます。

ーーーーーーーーーーこちらより転載
感染予防について
本校は医療専門職の養成を目的とした教育機関であり、医療機関等での実習があります。そのため学生は、一般の人に比べて様々な感染症にさらされる機会が多くなります。また、感染していても自覚症状がない潜伏期に実習をすると、免疫力の低下した患者さんに感染させる危険性があります。健康な方では数日で治る病気でも、高齢者や抵抗力の落ちた状態の人々にとっては、命取りになる可能性もあります。自分が感染症にかかることを防ぐだけでなく、実習先で患者さんやその家族等へ感染させることを防ぐため、実習先の病院・施設から、感染を防ぐ十分な抗体があることが実習を受け入れる条件として求められています。
(註:表面的に求められているだけで、実際に予防接種の記録の提出は要求されないと思っています。)
そこで本校では、学生自身が感染症から身を守るとともに、院内感染の運び屋にならないために、日本環境感染学会「医療関係者のためのワクチンガイドライン第2版」に基づき、「麻疹・風疹・水痘・流行性耳下腺・B型肝炎」抗体検査の実施、それに基づくワクチン接種を行っています。
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医療従事者を養成する専門学校や大学では抗体検査の実施をして、ワクチンを打つように強制はできませんが、指導はしています。

しかし、基本的に臨床実習や就職する際には予防接種の記録の提出を求められることはありません。

私の友人(診療放射線技師)は面倒だから、予防接種をしていませんでしたが、臨床実習に行けていました。

就職先の病院でも予防接種の記録を出されなければならないという話も聞いたことがありません。

大学の教授は予防接種をしていないと就職ができないことがあるなどと言っていましたが、私の周りで予防接種の記録を提出しなければならないという話は聞いたことがありません。

おそらく、1994年に予防接種の法律が大幅に変更されたからでしょう。

1994年以前は予防接種に強制力がありましたが、副作用の問題で予防接種は自らの判断で打つべきかどうかを決めるようになりました。

病院が予防接種の記録の提出を要求すれば、ワクチンを強制接種させることと同じ、と見なされる可能性があります。

なので、「予防接種記録を提出しろ」とまでは言えないのでしょう。

しかし、もしかしたら、以下のものを見ると本当に予防接種を強制させているのかもしれませんが…。

理学療法士養成校の感染症対策の実態
受託実習生・研修生受け入れ時職業感染予防のための指針 長崎大学


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長崎大学では抗体検査を徹底して、感染予防をしっかり対策していると言いながら、「ワクチン接種後の抗体獲得確認のための抗体検査は不要」となっています。

先ほども載せましたが、ガイドラインがそのようになっているからです。

一般社団法人日本環境感染学会 医療関係者のためのワクチンガイドライン

なので、どこの病院でもワクチン接種後の抗体検査はされていません。

人に移さないことが重要だから予防接種しましょう、と言いながら接種後は抗体検査をしません。

だから、麻疹疑いの患者がいても麻疹の抗体がついているのか、ついていないのかわからないまま職員が対応することになります。

感染予防が大切だと声を大にして言いますが、実際の臨床現場はかなりいい加減です。

世の中と変わりがありません。

このように抗体価はワクチンを打たせる時には重要視されますが、打った後は重要視されません。

2つ目は乳児、幼児である子供に対しても「抗体価」を一度も調べないということです。

乳幼児は「乳幼児健康診査」を受けることが法律で義務化されています。
(もしかしたら、市町村が健診を実施しなければならないというだけでワクチンと同様に健診を受けるか受けないのかは個人の自由になっているのかもしれません。)

自治体によっては法律で定めている3~4か月健診、1歳6か月児健診、3歳児健診の他にも6か月児健診や10か月健診などを行い、たくさん健診を受けさせています。

乳幼児健診 

そして、ここで注目すべきところは「乳幼児健康診査」の検査項目です。

以下、ウィキペディアの記事になります。

ーーーーーーーこちらより転載
1歳6か月を超え満2歳に達しない幼児(母子保健法施行規則第2条第1項)
 ・身体発育状況
 ・栄養状態
 ・脊柱及び胸郭の疾病及び異常の有無
 ・皮膚の疾病の有無
 ・歯及び口腔の疾病及び異常の有無
 ・四肢運動障害の有無
 ・精神発達の状況
 ・言語障害の有無
 ・予防接種の実施状況
 ・育児上問題となる事項
 ・その他の疾病及び異常の有無
満3歳を超え満4歳に満たない幼児(母子保健法施行規則第2条第2項)
 ・身体発育状況
 ・栄養状態
 ・脊柱及び胸郭の疾病及び異常の有無
 ・皮膚の疾病の有無
 ・眼の疾病及び異常の有無
 ・耳、鼻及び咽頭の疾病及び異常の有無
 ・歯及び口腔の疾病及び異常の有無
 ・四肢運動障害の有無
 ・精神発達の状況
 ・言語障害の有無
 ・予防接種の実施状況
 ・育児上問題となる事項
 ・その他の疾病及び異常の有無
ーーーーーーーーーーー転載ここまで

ご覧の通り、健診では予防接種の実施状況だけを聞くだけで、採血をして「抗体価」を一切調べません。

抗体があれば病気を防ぐことができるのであれば、「抗体価」を調べて、「抗体価」が基準値以下であるなら、予防接種を追加する、という話があってもいいのですがそのような話はありません。

また、例えば、一回目のMRワクチン接種後の採血であるなら、 麻疹・風疹の「抗体価」が基準値以上であるなら、副作用を考慮して、2回目の接種しなくてもよい、としていいはずです。

まあ、彼らはブースター効果(抗体価陽性であっても、もう一度接種すれば抗体が強固になるという説)の話をしてくるでしょうけど…。

ブースター効果 

どんなに子供の採決が大変だったとしても(こちらより)、子供が病気になるか、ならないかの大事な検査項目を抜きにすることはおかしすぎます。

いずれにせよ、「抗体価」が重要視されないのは病院だけではありません。予防接種が多い、子どもについても当てはまります。

ではなぜこのようなことが起きるのでしょうか。おそらく、「抗体価」を詳しく調べられると抗体の嘘がばれるからです。

「抗体価陽性」であっても感染を防げないことがばれるからです。

「抗体価」とワクチンの有効率が無関係だとばれるからです。

とは言っても、そもそもの話、インフルエンザを除いてワクチンで防ぐことができるとされる病気は私たちの身近にありません。

ワクチンで防げる病気が身近にないのはワクチンの功績だろ、と言う人は以下の記事を御覧ください。

ワクチンの有効性を示すグラフの考察。正しい解釈について。

なので、庶民は抗体があるから、病気を防ぐことができているという一般常識を知る手立てがありません。

かと言って、賄賂をもらっている学者の言うことを簡単に信じることもできません。(詳しくはこちら

「抗体があれば、病気を防ぐことができる」ことを証明するにはインフルエンザウイルスしかないと思います。

これに関してはまた、次回の記事で詳しくお話したいと思います。

次回の記事を読んで頂ければ、インフルエンザウイルスの効果を証明したくてもできない現状を知ることができます。

抗体とは病原体を無毒化しただけのものであって、抗体で病気を防ぐことできないという説を確固たるものに近づける記事になっていると思います。