抗がん剤の蓄積について。~抗がん剤が毒だと気づけない理由~

抗がん剤がただの毒物であることは皆さんもご存知だと思います。

ネットで調べると確固たる証拠が次々と出てくるので、疑う余地はないでしょう。

ただ、私は抗がん剤がただの毒物であるなら、抗がん剤で死亡する人は化学療法中に多いと考えていました。

しかし、実際は癌(抗がん剤)で死亡する人の多くは、亡くなる数週間前、数か月前に抗がん剤投与は中止されています。

なので、医療従事者であっても、抗がん剤がただの毒だと気づきにくいのが現状です。

薬剤が数か月後にも作用し続けているとは考えないからです。

臨床の現場で欠かすことができない「治療薬マニュアル」という本の中にも、個々の抗がん剤を調べても蓄積について記述されているものはありません。

また、患者さんのカルテに抗がん剤の蓄積について言及されたものを見たことがありません。

なので、抗がん剤の蓄積についてはあまり知られていないのです。

ですが、抗がん剤の蓄積は確かに存在します。

ーーーーーー「抗がん剤【副作用と蓄積】治療を続けるため、していること・対策など」より転載

抗がん剤の副作用には個人差があり、現れる症状やタイミングが違います。
1. 当日から
2. 数日~数週間後
3. 数週間~数か月後
4. 例外…天候や季節による
「数週間~数か月後」に現れたり強くなってくるのが蓄積された抗がん剤の副作用です。
言い換えると、治療そのものを含め「できないことが増えていく」ことです。
・口内炎、吐き気、味覚障害
・ 倦怠感、筋肉痛、関節痛
痛み、かゆみ、発熱
こういった症状が強くなってくると、食事・運動・睡眠ができなくなってきます。つまり、いい体調をキープできなくなり、場合によっては抗がん剤治療そのものができなくなってきます。

ーーーーーーーーーーー転載ここまで

また、「今日の治療方針」の「肺線維症・間質性肺炎」の項目には抗がん剤の蓄積について以下のように触れられています。

ーーーーーーーーーーー(こちらより転載)
・症状
アレルギー機序による場合は,原因薬物開始から1-2週間後から乾性咳, 労作時呼吸困難, 頻脈が出現,聴診で捻髪音,吸気時胸痛, ばち指, 疲労感, 肺拡散能(DLco)低下, 胸部X線ですりガラス陰影, 高分解能CTで斑状またはびまん性のすりガラス状の濃度上昇域, 血清KL-6上昇. 細胞障害薬(註:抗がん剤)の蓄積による場合には発症までに数週間から数年かかる場合もある
・可能性
アミオダロン, アザチオプリン,抗癌剤(ブレオマイシン, ブスルファン カルムスチン, マイトマイシンC , テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム, シクロホスファミド,ゲムシタビン, ドセタキセルパクリタキセルリツキシマブなど多数), インターフェロン, イマチニブ インフリキシマブ, ソラフェニブなどの分子標的薬, 抗てんかん薬(フェニトイン業,カルバマゼピン系), 抗リウマチ薬(メトトレキサート, レフルノミド,ブシラミン, 金製剤など), 抗菌薬(ニトロフラントインなど), G-CSF製剤, 漢方薬(小柴胡湯,柴苓湯 , 大建中湯,竜胆瀉肝湯など), ピオグリタゾン , アンブリセンタン, ゴリムマブ, アログリプチン, リバーロキサバン, アピキサバン, 滅菌調整タルクス, イトラコナゾール ,上皮成長因子チロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-KIT)ゲフィチニブでニボルマブの前投与歴がある場合
・対応 原因薬物の中止,副腎皮質ステロイド(メチルプレドニゾロン)の投与
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一見すると、患者の多くは抗がん剤が中止している期間に死亡するため、「本当に抗がん剤で殺されているの?」と思うかもしれません。

ですが、先ほど示しましたように、抗がん剤は体内に蓄積されるものであり、発症までに数週間~数年かかります。

実際、「医学大辞典」には「蓄積作用(蓄積効果とも呼ばれる)」という用語があります。

ーーーーーーーーーー(こちらより引用)
(蓄積作用とは)薬物を反復投与した場合に,生体内に薬物が蓄積し, 大量投与したような強烈な効果が現れるようになること。代表的な薬物としてはジゴキシン, ジギトキシンなどの強心配糖体が知られている。このような薬物を臨床で用いる場合には,薬物の血中濃度モニタリングを行いながら治療を進める治療薬物管理が特に重要となる。蓄積が起こらない場合にも、薬物に対する感受性増大により強い作用がみられることがあり,これは本来の蓄積作用とは異なるが、習慣的にこの語が用いられることがある。なので、抗がん剤が中止されていても、抗がん剤の蓄積によって、死亡する患者はたくさんいます。
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蓄積作用が起きる代表的な薬物に抗がん剤は明記されていませんが、抗がん剤も含まれていることは言うまでもありません。

抗がん剤は基本的には繰り返し投与されます。

一回に投与される毒の量は昔に比べると、少なくなっているので、副作用が出る確率も少なくなっています。

しかし、副作用がない、または副作用が少ないからといって、繰り返し投与することによって、抗がん剤が体内に蓄積し、致命的な状況になることは目に見えています。