予防接種は健康な子供にのみ打つことができます。
病弱な子供は、親が打たせたいと思ったとしても、ワクチンを打つことができません。
以下の予防接種の問診表・予診票をご覧ください。
質問事項にクリアするためには健康でないといけません。
持病がない子供にとっては予防接種を受けるための及第点を取ることは簡単です。ですが、世の中には病気の子供もいます。
その子供たちにとっては予防接種を受けることは難しいものになります。
予防接種の質問事項の一つに「最近6ヶ月以内に輸血あるいはガンマグロブリンの注射を受けましたか」と書かれてあります。
「ガンマグロブリンの注射」とは「免疫グロブリン療法」のことを言います。
ーーーーー(こちらより転載)
免疫グロブリン療法(めんえきグロブリンりょうほう)(英: Intravenous immunoglobulin、略称: IVIG)、免疫グロブリン大量療法とは、Fc活性をもつIgGを静脈投与する治療法である。時に大量免疫グロブリン療法、まれに免疫グロブリン大量点滴静注療法と呼ばれる。
投与される製剤には1000人を超える献血者の血漿から抽出された多価IgG(免疫グロブリンG)が含まれている。IVIGの効果は2週間から3カ月続く。以下の3つの主要な分類群に対する治療法として主に用いられている。
免疫不全(X連鎖無γグロブリン血症、低γグロブリン血症、低い抗体レベルを伴う獲得免疫障害)
自己免疫疾患(例: 特発性血小板減少性紫斑病)および炎症性疾患(例: 川崎病)、ギラン・バレー症候群、多発性硬化症など
ーーーーーー(転載ここまで)
つまり「免疫不全」「自己免疫疾患」「急性感染症」などの人はワクチンを打ってもらえないということです。
本来ならば、病弱で「感染症」にかかりやすい人が真っ先にワクチンを打たなければいけないのに、打つことができないということです。
なんとも、皮肉な結果になっています。
しかし、一応、以下のような研究があり、病気をしている子どもにもワクチンを打とうとはしているみたいです。
〇 免疫抑制薬内服中の腎疾患患者への弱毒生ワクチン接種の有効性と安全性についての検討
次に輸血についてです。
輸血を行っていると原則6ヶ月間ワクチンを打つことができません。
ご存知の通り、一般的に輸血は手術や事故などで大量に出血した時に必要になります。
その他には白血病や再生不良性貧血などの血液の病気や、抗がん剤などの薬の副作用により赤血球や血小板をつくることができなかったり、十分働かないときに必要となります。
要するに、事故以外で輸血が必要な子どもは病気をしているということです。
そのような人もまた予防接種はできません。
質問事項に全てクリアしなければ、ワクチンを打てないということではないと思います。
ですが、不安要素が2つ、3つと多くなると予防接種を控える医師も出てきます。
問診票の質問事項を見て分かる通り、ワクチンは基本的には健康な人にしか打つことができないのです。